今日は、真面目な話です...


渡米する前、米軍基地で仕事をしていたとき、アメリカ人のゲストから
「京都•大阪に行きたいんだけど、どの方法で行ったらいい?」
と聞かれた事があり、新幹線をお勧めした。何より、空港まで足を運ばなくていいし、ギリギリに乗車できる事がメリット。
しかしその彼女は、今まで新幹線に乗車した事はなく、不安だったらしい。
「乗る前にセキュリティーチェックはするの?荷物検査は?」
日本人の私からしたら、飛行機でのセキュリティーチェックと荷物検査は時間がかかり、新幹線を選べば、1時間強は時間短縮ができる。しかしアメリカ人の彼女にしたら、飛行機のセキュリティーチェックが『安全』となるのだった。
「誰でも何でも持ち込める新幹線には乗りたくない」というのが彼女の答えだった。
しかし当時の私は、新幹線は安全で、事故なんて起きないと確実に思っていた。

先週起きた、新幹線内での焼身自殺。女性一人を巻き込む、前代未聞の大事件となった。
この事件を聞いて、基地内で質問してきた彼女を思い出した。
彼女が心配していた事が、現実となってしまった。
驚く事に新幹線内には、可燃性の液体を3kg以内だったら持ち込む事ができる。(7月1日現在)
ご存知の通り、荷物検査もなければ、セキュリティーチェックもない。
そして新幹線客室内には、今まで防犯カメラがなかった。
先進国日本だが、安全面に対してはまさに発展途上国だった。

アメリカには、アムトラックという長距離列車がある。
チケットを窓口で購入するには、IDチェックが必要で、ネットで購入するときも、名前•住所•電話番号などの個人情報の入力を必ず行う。そして駅構内では、ランダムに人を選んで、荷物検査を実施している。
日本でも、急速に安全対策を考えているというが、ランダムに人を選んで荷物検査という案もあるらしいのだが、「どうして自分が選ばれるのか?」というクレームになる事を恐れて、実施が難しいという記事を読んだ。
確かに、文句を言ってくる人はいるかもしれない。
でも、それが安全対策となるのだったら、実施すべきだと私は思う。

2020年、東京オリンピックが開催される日本。
新幹線で起きた事故が、世界に知れ渡り、新幹線の安全性が問われている。
今後のテロ事件への対策を含む、安全強化をしていくべきである。